今回紹介するのは、日本小児呼吸器学会、日本小児救急医学会共同制作の「気道異物事故予防ならびに対応パンフレット」です。
お子様の誤飲、誤嚥事故を防ぐ予防方法や、万が一、事故が起こった際の対処方法を案内します。
以下はパンフレットの要約です。
あなたのお子さんが何かをのどに詰めて窒息してしまう危険性があることをご存知ですか?
• 子どもが誤って餅や豆類などの食べ物をのどに詰まらせて窒息したり、小さいサイズの食べ物やおもちゃを気管に吸い込んで、激しいせき込みや呼吸困難を引き起こし、緊急で取り除く手術が必要になることもあります。
事故の実際は…
毎年、50名近くのお子さんが食物などによる窒息で命を落としています。
0~2歳までの子どもに多く発生しますが、年長児でも起こり得ます。
どんなものが詰まるのでしょうか…
0~3歳では、主にピーナッツなどの豆類です。あめ玉、グミ、団子、カップゼリーなど、口に入るサイズのものは何でも事故の原因になります。
4歳以降では、歯の詰め物や小さいおもちゃ(ビー玉やプラモデルの部品)などの食物以外が多くなります。
このような事故の多くは、日頃からの注意で未然に防ぐ事ができます。
以下の情報を参考にして、お宅でも今日から早速、家族みんなで事故予防に取り組んで下さい。
のどや気管に詰まったら、どうなるの?…
• のどや気管を完全に塞いだ状態が数分間続くと、死に至ったり、たとえ助かっても脳の
機能がダメージを受けて障害が残る可能性があります。
• 完全に塞がないまでも、異物が体の中に残った状態のままにしておくと、後で重症の肺
炎になったり、気管に穴が開いたりする危険性があります。
事故を予防するために…
• 3歳になるまで、ピーナッツは与えないでください。
家族が自宅で食べる際にも十分に気をつけて下さい。
子どもは落ちているものも食べてしまいます。
• 小さいもの(おもちゃなど)を、子どもの身の回りに置かないで下さい。
のどや気管に詰まるサイズの目安として、トイレットペーパーの芯を
通過する大きさのものは異物の原因となり得ます。
• 子どもがのどに詰まる可能性があるものを口に入れていたら、泣かさずに、自分で吐き
出させるか、そっと口から取り出しましょう。
• 食べ物やおもちゃなどを口に入れたままで、横になる、おむつを替える、
歩く・走る・飛び跳ねる、ふざけて大笑いする、くすぐるなどは危険な行為です。
*事故を予防するためには、ご家族全員の協力が必要です。
のどや気管に詰まった時の症状は?
• 最も強い症状は、突然息ができなくなります。
• 次に強い症状は、急に咳き込んだり息が苦しそうになり、弱々しい咳しかできず、
泣き声もか細い状態になります。
• それほど強い症状ではありませんが、急に咳き込んだ後、咳が続いたり、
息をすると喉や胸からゼーゼーやヒューヒューという音が聞こえたりするようになります。
• 症状が一旦良くなることがありますが、それでも異物が残っていることがあります。
• 異物が残っていると、数日から数週間して咳やぜーぜーがひどくなったり、
熱が出てくることがあります。
• のどや気管に何かが入った可能性がある場合には、受診した際にはそのことを
必ず医師に伝えてください。
のどや気管に詰まった時の対応
※引用元
気道異物事故予防ならびに対応パンフレット( 日本小児呼吸器学会 )
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